日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
6 巻, 2 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
表紙・目次
〔一般研究発表〕
  • 村瀬 康一郎, 岩田 初美, 後藤 忠彦
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 1-6
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    授業で日常的にパソコンが活用されるためには, 特定の内容や使用法に限定されず, 授業の様々な場面で必要なときに簡単に使えような教具的なソフトが不可欠であり, 教師の学習指導の道具としてだけでなく, 児童生徒の学習活動を支援する道具として活用できる数種の学習ツール (図形作成, グラフ作成, X-Yグラフ作成, 表計算, データベース, 学習カード) を開発した。また, ツールソフト用の教材データの整備を行い, ネットワークやCD-ROM, MO等による提供を進めている。
  • 星野 敦子
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 7-12
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    教育におけるコンピュータ利用に関する教員研修においては, 技術的な効果と共に, 意識面での効果, すなわちコンピュータを活用していこうとする意欲や自信の向上が重要となる. 本研修では, このような教員研修の意識面での効果と, 受講者のコンピュータ利用教育に対するイメージとの相互関係について, 調査にもとづく分析を行った. その結果, 研修効果はイメージによって規定され, 特に「好感・明快」のイメージ因子の影響が大きいことがわかった. また, 研修前からもっているイメージは, コンピュータ利用経験の程度に影響されるが, 研修をとおしてイメージ自体が変化を遂げ, より明確化されるとともに, 効果に対する規定力もさらに増大することが明らかとなった.
  • 中山 雄二
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 13-18
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    岐阜県南部木曽三川地域を例に、地域教材の開発と活用のステップを述べるとともにハイパーテキストとしてのTOWNS-GEARを用いた新しい教材の作成手法と教材の構造について報告する。とくに課題解決の道筋を分析し、教材の中に盛り込むことで課題解決学習を支援する教材構造を持たせることができた。
  • 大島 正豊, 稲田 義邦, 平川 年明, 森永 宗男, 吉田 喜美明, 弟子丸 勝則, 武富 与一郎, 井手 博司, 杉原 豊樹, 内川 義 ...
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 19-22
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    佐賀県教育委員会が文部省より委託を受けた「平成元年度・平成2年度情報手段の教育活用に関する実践研究」の報告であり、「大島正豊他 : 中学校理科における野外観察学習を支援する教育用ソフトウェア「Out Door」の開発 (1), 日本科学教育学会第15回年会, pp. 513-516, 1991」に続く第2報である。
  • 尾崎 浩巳, 藤田 剛志, 安藤 雅夫, 林 秀雄, 石原 敏秀
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 23-28
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    知識表現がしやすく、推論機能や学習機能を持たせやすいLISPやPrologの言語を用いて、子供の自然認識や思考過程などを調べるためのソフトの開発をした。開発したソフトは、LISPを用いた動植物の分類ソフトと、Prologを用いた植物検索ソフト、Prologを用いた電流回路ソフトである。これらは、子供の思考経緯や判断を随時記録できるソフトである。その分類ソフ卜を用い、小学生から高校生を対象に動植物の分類をさせた。その結果、子供の分類体系は、分類構造を五つにタイプ分けして調べることができた。また、分類観点の取り方や、動植物の誤認識の実態も探ることができた。次に、検索ソフトにより、小学3年生に対しても、自分自身で楽しく植物検索をさせられ、さらに小学生の検索能力を調べることができた。次に、電流回路ソフトは、問題解決における思考過程を分析するために開発した。その有効性は、今後の実践を通して検証する予定である。
  • 岡田 健
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 29-34
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    教職員の意識調査の結果、当市の教育活動の充実を図るためには、まず教育に関わる情報の収集管理、提供できる環境を整備する必要があることが分かった。中でも、学校で求められている情報は、どこに何があるかという所在情報だけでなく、実際に授業や教材研究に直接利用できるものである。それらの情報を学校に提供するためには、文字情報だけでなく、ワープロ文書・図形・イラスト・イメージ・教材ソフトなど様々な形式のデータを転送できるシステムが必要となるとともに、だれもが利用できる簡易なデータベースシステムを作り上げなければならないと考えた。そこで、一次情報の管理とメニュー形式の検索機能を持つEDINを導入し、さらに、イメージ情報の転送を行うために、データベースと電子ファイリングの連携をとったシステムの構築を進めている。
  • 加藤 直樹, 安藤 忠展
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 35-40
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    学校教育におけるコンピュータ利用が、パソコン通信を利用して1学校単独のものから多数の学校による情報交換へと拡大してきている。通信については、時間的・空間的な隔たりを意識させない環境を提供しており、社会的にも今後一層拡大していくことが予想される。現在中学校において義務教育を受けている生徒が成人していく頃にはこうした状況はさらに拡大されていくであろう。通信を活用した情報活用能力の育成が現在重要な課題になりつつあるということである。そこで、川島中学校では校内に敷設されているネットワークを利用して校内パソコン通信を実現した。従来の教材等の学習情報の転送に加えて電子メールの交換や電子掲示板への掲示を可能にし、生徒が利用しやすい校内ネットワークシステムを開発した。
  • 稲葉 一
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 41-46
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本学入学者の40%程度は高等学校以下でコンピュータの教育を受けた学生がいる。はじめてコンピュータにふれる学生とともに概論を指導する場合に図形作成から始めた。「学習カード」による図形作成は学生に好評であり、学生のアンケート調査からコンピュータ取扱いの導入に適していることが分かった。
  • 篠原 文陽児, 西之園 晴夫, 山川 信晃, 井上 光洋, 金谷 憲, 清水 純一, 川本 佳代
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 47-52
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    APEID「東京セミナー'89」は1989年10月, 日本ユネスコ国内委員会と教育工学協同センター連絡協議会の主催により, 東京学芸大学と京都教育大学を主な会場に11日間の日程で開催された。その参加者は, 12ヶ国2国際機関から, 視聴覚教育や教育工学の専門家がそれぞれ1名ずつであり, その他国内からの出席者もあり, 総計38名となった。本報告では, 「APEID東京セミナー'89」の会議内容を紹介しながら, アジア・太平洋地域における視聴覚メディア用のソフトウェアの開発, 評価及び流通に関する課題をまとめている。
  • 新田 直, 星野 敦子
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 53-56
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    新学習指導要領により小・中学校へのコンピュータ導入が進められている。しかし、それを操作し、利用する教師の養成が遅れている。県の教育センター、外部研究団体による研修会などが行なわれているが、それに参加できる教員は、極めて限られている。そのため、校内研修、市町村単位での研修の充実が臨まれている。特に、導入時に効果的な教員研修を行なうためには、使用するソフト、教材データ、担当学年、担当教科を配慮することが必要である。
  • 新木 尚, 野田 広幸, 山北 ちえ子, 新田 直
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 57-60
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    学習指導要領の改定により、全国の教育現場にコンピュータが導入されつつある。それにともない、授業の中でコンピュータを活用していく機会が増えてくる。一方では、コンピュータが操作できる教員が極めて少ないのが実情である。そんな中で、教育委員会と学校とが一体となり、コンピュータ導入をし、主体的な学習活動の道具としてコンピュータを全教職員で活用している様子を報告する。
  • 安藤 忠展
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 61-64
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中学校でのパソコンの導入が進み、授業に活用されるようになってきた。その中で、一番使いやすく導入されるのがドリル型学習ソフトである。このドリル型学習ソフトを中心に、パソコンの有効活用、及び、本校の特色である校内ネットワークの活用を考えながら、学習の定着を図るためのドリル型学習ソフトの開発・実践を行った。
  • 武井 由典
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小・中学校へのパソコン導入が進められているが、学習ソフトの整備が思うようにいかないのが現状である。しかし、システム研究会より、数百のソフトが集められたCD-ROMが出され、この中の教材を活用することで導入したばかりでも授業に活用できるようになった。また、生徒が選びやすいメニューシステムを作ることで簡単に目的の教材が選びだせるようになり、教育へのパソコン活用がより容易になってきた。
  • 松井 徹, 纐纈 政昭
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 71-74
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    平成5年度より完全実施される新指導要領において中学校3学年での選択教科で数学を設けることが可能となった。そこで、生徒の能力・適性、興味・関心等の多様化に対応し、生徒一人一人に応じた学習を進め個を生かす学習指導を行うためにも、数学において選択択教科を開設することは価値のあることであると考た。こうした考えに立って、数学のよさを味わわせたりり、必須教科の内容をさらに発展させて数学に対す興味・関心をたかめるようなパソコンを活用した選択教教科の年間指導計画を立て、実際に実践を行いつつる。その実践の紹介を行う。
  • 安藤 久夫, 山田 豊和, 日々野 清高, 久世 均
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 75-78
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    物理量の変化をセンサーを使って計測し、その結果をコンピュータで分析した後、必要に応じて機器を制御する装置はすでに社会生活の中で広く使われている。その一つにハイテク技術を駆使し、自動化工場における工業製品の生産のように植物を屋内で生産していこうとする植物工場システムがある。植物工場では温度・湿度・照度・炭酸ガス濃度・日照時間、水耕栽培における溶液のコントロール等の計測や制御に電子技術やコンピュータ技術が幅広く取り入れられている。このような技術を工業教育に取り入れるために各種のインターフェースを開発にしてきたが、最近その応用として、植物をコンピュータの制御対象として計測制御技術・システム技術を学ばせる植物工場の開発・改良に取り組んでいる。ここではこれらの内容について報告する。
  • 久世 均, 安藤 久夫
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    高度情報化社会の到来と共に, 教育の分野にも教育情報の流通や方法に関する研究が多くなってきた. 従来各学校から教育実践や教育研究の優れた研究成果が多く報告されてきているが, それらの教育情報を有効に活用し, 次の教育実践を高めていくための十分な環境が整っていなかった. しかし, 近年の情報処理技術の進展に伴いコンピュータ支援システムによる教育情報のデータベースが実用化されるようになってきた. そこで本校でもパーソナルコンピュータの導入を機会にデータベースの研究を実践してきた. 現在パーソナルコンピュータによるデータベースの構築も可能となり, いろいろな実践資料をデータベース化することにより, ますます多様化・高度化しつつある教育の要求に応ずることができると考え, 教育実践資料の教材データベースを構築し検索システムを作成した.
  • 竹中 洵治, 石原 敏秀, 安藤 雅夫, 稲葉 一, 森 幸雄
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 83-86
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年、高校生の理科離れが進んでいるといわれている。これは化学においても例外ではない。この理由として次のことが考えられる。学習者が高等学校の化学の学習内容を理解するのに困難であること。学習内容に興味・関心がもてないこと。従来のように一斉授業のもと、教材として教科書だけで学習を進めていては、生徒の化学離れをくい止めることは難しい。学習者一人一人にあった多様な教材、学習法、学習進度で学習させるのが望ましい。また、高等学校においては平成6年度から新教育課程になり、このような個を大切にした学習が一層望まれている。例えば、課題実験がとり入れられているとか、コンピュータを活用するとか、多様な評価を考えるとかがそれにあたる。教材に関していえば、教科書が主体になる。現在の教科書はおおむね精選に精選が重ねられて結果だけが記述されているのがほとんどである。学習の効率化からみると大変よいが、学習者の興味・関心の面からみるとまことに味気ない。このことを補うために、化学者、化学史、化学の歴史的実験、化学の法則、失敗の過程、化学の思想等、従来教科書で軽く扱われているか全然扱われていないものを教材化する。これらの教材を収集し、データベース化し、学習者が活用しやすいようにハイパーカードを利用して開発作成した。
  • 五島 文韶, 宮西 祐治, 森 社, 小柳 欣也, 佐藤 伸幸
    原稿種別: 本文
    1991 年 6 巻 2 号 p. 87-90
    発行日: 1991/09/14
    公開日: 2017/11/17
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中学校理科教育は、自然の事物・現象に対する興味や関心を高めること、観察や実験などを行うこと、科学的に調べる能力と態度を育成すること、自然の事物・現象についての理解を深めること、科学的な見方や考え方を養うことが使命である。そのための場として、中学校学習指導要領理科では、課題研究的な学習活動の重要性について指摘されている。この課題研究的な学習においては、一人一人の生徒が自分の見方や考え方、興味や関心に応じた個別の課題を持ち、それまでに培った科学の知識や技能、思考力などを駆使して、意欲的に解決できることが望ましい。しかし、多数の生徒一人一人の異なる課題に対し、一人の教師が対応しなければならない現実を考えるとき、指導に当たって様々な困難がある。そこで、多様な生徒の学習活動を支援する実験に関するデータベースシステムが有効に利用できるものと考えられる。本研究は、課題研究的な学習活動を支援するためのデータベースの開発を試み、個に応じた教育活動を効果的に行おうとするものである。
feedback
Top