堆積学研究
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研究報告 (英文)
円形振動流水路実験における “ハンモック状” ベッドフォームとその内部構造 : 埋積作用の効果
高川 智博
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2007 年 64 巻 p. 43-47

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抄録

これまで難しかったハンモック状斜交層理 (HCS) の堆積実験に初めて成功した. 実験に用いたのは新開発のパドル駆動型円形振動流水路で, 長周期振動流の影響下で, 流れ条件を一定に保ちながら砂を供給し, 堆積物をためることができる. 実験では平均粒径0.3mmの硅砂を用い, ストーム時の長周期波浪を模した振動流 (振動周期15秒, 底面近傍の振動流速80cm/秒) の下での, ベッドフォームや堆積構造の形成過程を調べた. その結果, ハンモック状のベッドフォームの起伏が, 堆積速度にして1-3mm/分程度の堆積物供給で抑制されることがわかった. この堆積速度は, 現世の陸棚の観測と同程度であり, HCSに一般的に認められる内部葉理の上方平坦化が, 堆積物の供給に対応して形成される可能性が指摘される.

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© 2007 日本堆積学会
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