堆積学研究
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論説
CO2 地中貯留層の堆積環境と圧入性支配要因としての粒度組成·間隙径分布の特徴:長岡サイトの例
伊藤 拓馬中島 崇裕薛 自求
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2016 年 75 巻 1 号 p. 3-15

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抄録

長岡CO2 圧入実証試験サイトの貯留層におけるコア試料の堆積相解析から堆積環境と粒度組成·間隙径分布特性を把握し,CO2 圧入性の支配要因を検討した.貯留層には6つの堆積相が認められ,堆積組相からデルタフロント∼プロデルタ堆積物の一部と解釈される.圧入性の良好な地層は,デルタフロントに挟在する分流チャネル河口州堆積物(堆積相3)を主体とする.一方,圧入性の不良な地層は,デルタフロントに挟在する分流チャネル河口部堆積物(堆積相2)とプロデルタ堆積物(堆積相5)からなる.中央粒径値と淘汰度値の分散図より,堆積相3は堆積相2や堆積相5と比べて相対的に淘汰度値が小さく,中央粒径値が大きいことで特徴づけられる.また堆積相3の間隙径分布は,堆積相2と堆積相5と比べて流体の流路となる10Φより粗い間隙の占める割合が高い.貯留層の堆積環境に関連する粒度組成·間隙径分布特性は,CO2 圧入性の支配要因となることが判明した.

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© 2016 日本堆積学会
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