2007 年 61 巻 1 号 p. 23-27
いた希釈平板法により,F. oxysporumを一次分離後,得られたコロニーをFusarium最少培地(MM)に移植し,気中菌糸を形成しない特徴的なコロニー形態を示した分離株をビオチン要求性株として判断するものである。長野県内のレタス栽培圃場(発病圃場6,未発病圃場1)の土壌から分離したF. oxysporum合計1533菌株のうち,ビオチン要求性であった691菌株はすべてレタス根腐病菌レース2と同様の病原性を示したが,ビオチン非要求性の842菌株はいずれの品種に対して病原性を示さなかった。このことから,ビオチン要求性はレタス根腐病菌レース2のマーカーとして病原菌の挙動など生態的な研究に利用できると判断された。