2014 年 68 巻 1 号 p. 27-33
茨城県では,土壌病害であるレタス根腐病とV. dahliaeによるレタスバーティシリウム萎凋病の発生が確認され,レタスの安定生産が脅かされつつある。レタス根腐病はレース1および2の発生が確認され,網羅的な現地調査によって発生状況が明らかになってきた。輪作や抵抗性品種の利用が進んできたが,課題も多い。レタスバーティシリウム萎凋病は初確認時以外では,被害が問題になっていないが,多犯性であり,他作物への影響も懸念される。遺伝的に異なる複数の菌が発生している状況も明らかにされている。今後もレタス栽培を継続していけるよう,本県の栽培体系に即した防除体系の構築が求められる。