抄録
感染が発達したアーバスキュラー菌根菌(AM 菌)の菌根では連続した菌糸が宿主根に充満しているように見えるが,
これは数mm の感染単位(Infection unit, IU)の集合体である。この感染単位に注目すれば個々のAM 菌の動態や機能が理解しやすくなると考えている。土壌中のAM 菌の定量法として宿主を短期間栽培した際のIU 密度(根長あたりのIU 数)の利用を検討した。IU 密度はポット内のAM 菌接種源の濃度と相関し,検定に用いる植物種の影響を受けにくかった。またAM 菌非宿主植物の栽培跡地土壌では宿主植物の跡地土壌よりもIU 密度が低下するなど,AM 菌動態を反映していた。AM 菌の分離菌株について上述のIU 密度を指標に感染活性を調査したところ,多くの菌株では数年前のストックが感染力を維持していることが示唆され,カルチャーコレクションでの継代頻度を低減できることが期待できた。また個々の分離菌株のIU は分類群ごとに異なる形態的特徴を持っていた。