土と微生物
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温暖化が進行する北極域での土壌糸状菌の種類と動態
東條元昭
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2020 年 74 巻 2 号 p. 60-65

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抄録

気温上昇率が北半球全体に比べて顕著に高い北極域における土壌糸状菌の種類と性状について,いずれも植物寄生性のRhytisma polareTrichoderma polysporumおよびGlobisporangiumpolareを例に紹介し,それらに及ぼす温暖化の影響を考察した。本稿で紹介した土壌糸状菌は,北極域に普遍的に見られる一方で,多くが北極域または南極域を含む極域の固有種である。また植物寄生菌として生態系バランスの中で宿主植物に影響を及ぼしながら生活している。生態系バランスが崩れると植物に対して個体や集団レベルで影響を及ぼす可能性があるため今後の動向を注視する必要がある。

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