外科と代謝・栄養
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臨床研究
小児急性リンパ性白血病化学療法前後の血漿アミノ酸濃度の変化の検討(第一報)
千葉 正博土岐 彰川野 晋也中神 智和鈴木 淳一杉山 彰英菅沼 理江中山 智理小嶌 智美大澤 俊亮磯山 恵一外山 大輔松野 良介塚田 大樹真田 裕
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2013 年 47 巻 2 号 p. 45-52

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抄録

  予定した,がん化学療法を完遂するためには,化学療法に伴うさまざまな有害事象を早期に発見し対応することが重要である.しかし,有害事象の発生と血漿遊離アミノ酸の変化との関係を検討した論文は少ない.今回我々は,小児急性リンパ性白血病患児10例の化学療法前後の血漿遊離アミノ酸濃度の変化と有害事象の発生とを比較検討したので報告する.
  化学療法後の有害事象として,臨床症状でグレード3 以上は見られなかった.血液生化学検査では,グレード3 以上の発症は白血球減少が9 例,顆粒球減少が10 例,Hb 低下が5 例,血小板減少が4 例,AST 上昇が3 例,ALT 上昇が4 例に認められた.化学療法前後で血漿遊離アミノ酸濃度を比較すると,タウリン,グルタミン,シトルリン,メチオニン,イソロイシン,アルギニンが化学療法後低下する傾向が見られた.これらのうち,アルギニン,メチオニンの低下はAST の上昇と相関が見られた.

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© 2013 日本外科代謝栄養学会
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