外科と代謝・栄養
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細胞シート移植による脊髄髄膜瘤の胎児期神経組織修復
石井 理絵ウバイダス ソブハン蛇口 達造佐藤 智夫山下 紘正田畑 泰彦澤 芳樹千葉 敏雄土岐 彰
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2014 年 48 巻 6 号 p. 215-218

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抄録

  脊髄髄膜瘤は胎児期の神経障害により出生後も後遺症をもたらす先天性疾患である.胎児期に手術加療が行われるが損傷された神経組織の修復は難しい.そこでわれわれは再生医療の一つである細胞シート技術を用いて脊髄髄膜瘤の胎児治療への応用を試みた.筋芽細胞(L6 細胞株)を使用して細胞シート作成した.また妊娠10 日目のSD ラットにレチノイン酸を経口投与して脊髄髄膜瘤を誘発した.妊娠21 日目に脊髄髄膜瘤と判断した胎仔に対して子宮切開施行後,脊髄髄膜瘤上に細胞シートを移植した.移植4 時間後に検体を摘出し,H.E 染色により評価した.H.E 染色により,L6 で作製した細胞シートの接着が確認された.L6 細胞から作製した細胞シートは4 時間後も胎児の脊髄髄膜瘤に接着しており,細胞シートは損傷した神経組織の再生を促す可能性がある.

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© 2014 日本外科代謝栄養学会
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