2017 年 51 巻 1 号 p. 41-48
大腰筋は歩行機能に重要な役割を果たす骨格筋であるため,大腰筋量の変化がQuality of Life(QOL)の変化を捉えた指標として有用なのではないかと考えた.【対象と方法】長野市民病院で2013 年8 月から2014 年7 月にかけて膵頭十二指腸切除術を受けた患者22 名を対象とした.術前,術後3 カ月目および6 カ月目のCT 画像を用いて大腰筋体積を測定し,SF-36 で調査したQOL スコアとの関連を検討した.【結果】観察期間中に大腰筋体積およびQOL スコアは有意な変化を認めなかった.しかし,大腰筋体積変化率とQOL スコアの変化とに正の相関を認めた.【結論】膵頭十二指腸切除後の大腰筋量の変化はQOL の変化を捉えた指標になる.