外科と代謝・栄養
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特  集
脂質メディエーターに着目した外科侵襲後の生体反応
-リゾリン脂質に注目して-
松田 明久宮下 正夫山田 真吏奈松本 智司櫻澤 信行川野 陽一関口 久美子松谷 毅山田 岳史内田 英二
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2017 年 51 巻 4 号 p. 157-164

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抄録

 手術侵襲などによる組織障害や感染が生じた生体では,障害・感染を受けた部位のみならず全身からさまざまな外因性・内因性のメディエーターが放出される.リゾリン脂質は,近年の研究により多彩な生理活性を有する脂質メディエーターとして注目されており,その免疫学的作用も豊富であることから侵襲後の炎症性生体反応にも大きく関与している可能性が高い.本稿では主要なリゾリン脂質であるリゾホスファチジルコリン(lysophosphatidylcholine:LPC), リゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid:LPA), リゾスフィンゴシン脂質(スフィンゴシン-1- リン酸(sphingosine 1-phosphate:S1P)の3 つに焦点を当て,手術侵襲後の炎症性生体反応における役割について,自験結果に文献的考察を加え概説する.

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© 2017 日本外科代謝栄養学会
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