外科と代謝・栄養
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ISSN-L : 0389-5564
原  著(臨床研究)
小児におけるリアルタイム超音波ガイド下穿刺による末梢挿入式中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:PICC)留置の経験
清水 義之橘 一也津田 雅世籏智 武志稲田 雄文 一恵松永 英幸重川 周井坂 華奈子京極 都奥田 菜緒松本 昇赤松 貴彬竹内 宗之
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2017 年 51 巻 5 号 p. 287-292

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抄録

 近年,小児における末梢挿入式中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter:以下PICC)は,新生児領域では頻用されており,幼児や学童においても,重要な静脈アクセス用デバイスである.PICC 留置は視診または触診により静脈を穿刺する以外に超音波ガイド下に留置する方法があるが,わが国において,小児患者に超音波ガイド下にPICC を留置する報告はない.われわれは,41 名の小児において,リアルタイム超音波ガイド下にPICC 留置を試みた.56 回中50 回(89%)PICC 留置に成功し,重篤な合併症は認めなかった.屈曲による滴下不良はなく,62%の症例で合併症なく使用された.留置にはある程度の慣れと,鎮静が必要であるものの,静脈のみえにくい年少児でも留置可能であり,小児における有用なルート確保手段であることが示された.

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© 2017 日本外科代謝栄養学会
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