外科と代謝・栄養
Online ISSN : 2187-5154
Print ISSN : 0389-5564
ISSN-L : 0389-5564
臨床経験
周術期アミノ酸摂取による術後回復能への影響
秋月 さおり佐々木 君枝北島 祐子梅木 雄二鳥越 律子林 真紗美篠崎 広嗣鈴木 稔上野 隆登神村 彩子田中 芳明
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 52 巻 1 号 p. 55-65

詳細
抄録

 L-オルニチンおよびL-グルタミン含有食品摂取による周術期栄養改善およびQOL への影響を検討するための介入試験を行った.消化器癌開腹手術を実施する90 歳以下の男女18 名を試験食品摂取群または非摂取群の2 群に無作為に分け,術前・術後の7 日間ずつにわたり試験食品を摂取させ,栄養関連指標,体組成,QOL について評価した.その結果,両群において手術の侵襲による栄養関連指標,体組成量の低下が観察されたが,試験食品摂取による影響はみられなかった.一方で,QOL アンケートより,身体機能,役割機能,倦怠感,疼痛について,非摂取群でみられたスコアの低下が試験食品摂取群では認められなかった.これらのことから,周術期に一定期間L-オルニチンおよびL-グルタミンを摂取することにより,患者のQOL を良好に保つことができる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2018 日本外科代謝栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top