外科と代謝・栄養
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症例報告
通過障害を伴う切除不能進行胃癌に対して腸瘻造設でPerformance Statusが維持できた1例
神部 浩輔長田 寛之玉井 瑞希神谷 肇谷口 彰宏鎌田 陽介福田 賢一郎岩田 譲司山岡 延樹塚本 賢治
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2019 年 53 巻 2 号 p. 111-117

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抄録

 症例は73歳の男性.腹部膨満感を主訴に近医受診し,胃癌疑いで当院紹介となった.精査の結果,通過障害を伴う胃癌の診断で手術加療の方針となった.術中所見でStageⅣと診断し,原発巣は膵浸潤が高度であったため,非切除バイパス術の方針とした.挙上空腸の吻合部が高位かつ前壁となり,術後通過障害の遺残が予想されたため,腸瘻造設を併施した.術後,通過障害に関しては飲水可能な程度までしか改善しなかったが,経腸栄養を自己管理することができたため退院となった.その後,化学療法はSOXを4クール,PTXを1クール施行できた.
 通過障害を伴う胃癌に対する姑息手術では経口開始の遅れやPerformance Status(以下PS)の低下から化学療法を延期や中止とする症例もある.本症例では通過障害の改善は不十分であったが,腸瘻造設をすることで栄養状態を維持し,PS低下なく退院して,外来化学療法も施行できた.

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© 2019 日本外科代謝栄養学会
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