外科と代謝・栄養
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53 巻, 2 号
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特集「病態栄養学からみた感染制御: 特殊病態下における周術期の感染制御を目的とした栄養管理」
症例報告
  • 神部 浩輔, 長田 寛之, 玉井 瑞希, 神谷 肇, 谷口 彰宏, 鎌田 陽介, 福田 賢一郎, 岩田 譲司, 山岡 延樹, 塚本 賢治
    原稿種別: 症例報告
    2019 年 53 巻 2 号 p. 111-117
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/15
    ジャーナル フリー
     症例は73歳の男性.腹部膨満感を主訴に近医受診し,胃癌疑いで当院紹介となった.精査の結果,通過障害を伴う胃癌の診断で手術加療の方針となった.術中所見でStageⅣと診断し,原発巣は膵浸潤が高度であったため,非切除バイパス術の方針とした.挙上空腸の吻合部が高位かつ前壁となり,術後通過障害の遺残が予想されたため,腸瘻造設を併施した.術後,通過障害に関しては飲水可能な程度までしか改善しなかったが,経腸栄養を自己管理することができたため退院となった.その後,化学療法はSOXを4クール,PTXを1クール施行できた.
     通過障害を伴う胃癌に対する姑息手術では経口開始の遅れやPerformance Status(以下PS)の低下から化学療法を延期や中止とする症例もある.本症例では通過障害の改善は不十分であったが,腸瘻造設をすることで栄養状態を維持し,PS低下なく退院して,外来化学療法も施行できた.
あとがき・編集委員会名簿
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