2020 年 54 巻 2 号 p. 53-56
小児におけるL‐カルニチン欠乏症はカルニチン回路異常をはじめとする代謝異常によるもの, 薬剤性のもの, 特殊ミルク・経腸栄養・静脈栄養による摂取不足によるものがある. 特に重症心身障害児では長期の経腸栄養による摂取不足に加え, L‐カルニチン欠乏症を起こしやすい薬剤を投与することがおおく, 注意が必要である. 代謝性のL‐カルニチン欠乏症にはL‐カルニチン投与が必須であるが, その他の病態でもL‐カルニチン欠乏による症状を予防するためにL‐カルニチン製剤の投与を考慮する.