外科と代謝・栄養
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原著 (臨床研究)
皮下埋め込み型中心静脈ポート感染のリスク因子と栄養動態の検討
新庄 幸子松塚 栄恵増田 剛栄 政之福原 研一朗
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2021 年 55 巻 2 号 p. 107-113

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抄録

 皮下埋め込み型中心静脈ポート (以下, CVポート) 患者412例のカテーテル関連血流感染 (Catheter‐related bloodstream infection : 以下, CRBSI) の関連因子と栄養状態を検討した. 栄養指標は小野寺の予後栄養指数とControlling Nutritional Status, 血清アルブミンを用いた. CRBSIは14例に認め, CRBSI発症群 (I群) と非発症群 (N群) の患者背景や造設時の栄養状態に有意な差はなかった. 起因菌は表皮常在菌が多く, 発症時に静脈栄養の施行例が増加していた. I群の栄養状態はCRBSI発症前まで維持されており, 患者背景や低栄養化による易感染性よりもCVポートの取り扱いによる発症が疑われた. CVポート留置中はCRBSIのリスクを念頭におき, 適正な感染対策の下に使用すべきである.

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© 2021 日本外科代謝栄養学会
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