外科と代謝・栄養
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特集「外科治療における患者給食の意義」
外科患者の栄養管理における給食の意義
―本邦と世界の潮流―
丸山 道生
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2021 年 55 巻 2 号 p. 57-61

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抄録

 世界各国には, それぞれの国や地域の食文化を反映した独自の病院給食と術後食のシステムがある. 最近まで術後食に関して「手術後, 消化管運動が回復してから, 流動食から開始し, 段階的に普通食にステップアップしていく」というのが世界共通の考え方であった. 近年, 手術の安全性が増し, 低侵襲化されたことで, 従来の術後食を見直す動きが広がっている. 特に, 術後回復強化策ERASが種々の手術に普及することで, 術後早期の経口栄養と段階食の見直しが行われている. 今後, 術後栄養管理は経口栄養が主流となっていくと推測され, 術後食がさらに重要視されると考えられる. 術後給食の科学的, 臨床的検討と改善が望まれる.

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© 日本外科代謝栄養学会
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