2021 年 55 巻 6 号 p. 264-272
【目的】ERASが大腸切除術後の栄養摂取量に及ぼす影響を検討した.
【方法】大腸切除症例を従来の周術期管理(C)群とERAS(E)群, 開腹手術(OC)と腹腔鏡下手術(LAC)によりC‐OC群, C‐LAC群,E‐OC群, E‐LAC群に分類して後方視的に食事と輸液のエネルギーとたんぱく質摂取量を比較した. ERASの影響はC‐OC群とE‐OC群, C‐LAC群とE‐LAC群, 手術侵襲の影響はE‐OC群とE‐LAC群で検討した.
【結果】E群とC群のエネルギーとたんぱく質摂取量は, 手術侵襲によらず食事はE群,輸液はC群が多かったが, 合計に差はなく, 全ての群で必要量に達しなかった. 退院前日のエネルギー摂取量は全ての群で必要量に近かったが, たんぱく質摂取量は必要量の6~8割と低かった.
【結論】ERASにより食事のエネルギーとたんぱく質摂取量は増加したが, 食事のみで必要量を満たすことはできなかった. 食材や献立を工夫し, 非タンパクカロリー窒素比が低い術後食を策定する必要がある.