2023 年 57 巻 2 号 p. 62-66
臓器移植には心移植,肺移植,肝移植,膵移植,腎移植,小腸移植があり,臓器移植患者は,臓器の機能不全に起因もしくは付随する栄養・代謝異常による低栄養やサルコペニアなどを併発することが多い.さらに,臓器移植は高度侵襲手術であり,耐術するためには周術期栄養管理はきわめて重要である.したがって,臓器移植患者における周術期栄養管理は短期予後向上のカギであると言っても過言ではない.われわれは,肝移植において入院時に体組成を含めた栄養評価を行い,肝不全用経口アミノ酸製剤や亜鉛・シンバイオティクス投与,術後経腸栄養などからなるオーダーメード型周術期栄養・リハビリテーション療法を確立した.また,術前体組成(骨格筋量,筋肉の質,内臓脂肪/皮下脂肪比)異常が肝移植後生存率と密接に関連していることを明らかにした.そこで,2016年以降,体組成を考慮した新たな移植適応を樹立・運用し,積極的な周術期栄養・リハビリ介入を行うことにより,移植後短期成績がきわめて良好となった.