抄録
人工衛星を用いた極域の雲の定量的な観測は、広域にわたって均質なデータを得ることができるので非常に有益である。しかし、極域においては、可視の反射率も赤外の輝度温度も雲と地表とがほとんど等しい値となるので、衛星の可視画像や赤外画像から陸域および海氷上の雲を識別するのは、非常に困難である。本研究では、NOAA衛星のAVHRR画像の中の赤外画像のみを用いて、陸および海氷上の雲を抽出する方法を開発した。分類は、まずテクスチャやフラクタルなどの画像特徴量を求め、次に、最短距離分類法に閾値処理を導入することにより、全体の分類率にあまり影響を与えずに分類結果のエラー率を低減することができた。