抄録
電子決済システムには,ICカードを利用した電子マネーや,オンライン上での相殺による決済を利用するものなどが開発され,実用化されてきているが,地域通貨システムにおいても,電子化の例が見られるようになっている.定子マネー的なものの代表例としては,地方公共団体等が発行する統合型ICカードに「エコマネー」の機能を持たせるものがあげられ,ネットワーク上の決済では「WAT決済システム」の定子化が挙げられる.地域通貨は,通常の営利目的というよりもむしろ,「エコマネー」の「エコ]が表すように「環境に優しい」という活動での利用が強調されるが,本論では,その電子化の現状及び社会的な側面について論じる.