抄録
症例は54歳女性. 約1年前より大腿部及び下腿部に腫瘤を認め, 同部の疹痛のため, 近医にて腫瘤摘出術を受けた. その病理組織所見にて, サルコイドーシスを疑われ, 当科に入院となった. 胸部X線上, 両側肺門リンパ節腫大および肺野病変もみられたため経気管支肺生検を施行し, サルコイドーシスとの診断を得た. 臨床的に, 日常生活に支障をきたすほどの有痛性筋症状のため, ステロイド療法を開始したところ, 筋症状はすみやかに改善した. 本症例は, 2年来の眼・口腔内乾燥症状がみられ, 血清学的検査, 唾液腺造影の結果から, シェーグレン症候群の合併と診断した. 本症例は, 有痛性筋症状を呈し, シェーグレン症候群を合併した稀なサルコイドーシスの1例と考えられた.