サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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サルコイドーシス診断の1年後に肺結核を発症した一例
新井 秀宜中野 純一倉持 美知雄田下 浩之本間 理英大林 王司久保田 滋宮坂 崇有岡 仁山下 直美大田 健
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2000 年 20 巻 1 号 p. 71-74

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抄録
症例は72歳の女性, 主訴は熱発. 1997年胸部レントゲンで異常を指摘, 胸部CTにて縦隔リンパ節腫脹指摘されるも経過観察されていた. 1998年上記の異常影が継続するため当院へ入院. 経気管支肺生検にて類上皮細胞肉芽腫, 気管支肺胞洗浄液にてリンパ球CD4/CD8 5.7と上昇. 血清ACE 24.0 (IU/L/℃) と高値, またブドウ膜炎がありサルコイドーシスと診断した. 当時の気管支肺胞洗浄液中の結核菌は塗抹, 培養, PCR法すべて陰性. 1999年4月上旬より熱発が続くため当院受診. 誘発疾にて抗酸菌検出され, 胸部X線では左上肺野に空洞あり. 以上より今回の熱発は肺結核症によるものと診断した. 我々の症例は結核の発病菌感染がサルコイドーシスに続発した症例と考えられ, サルコイドーシス診断後あるいは同時に肺結核の合併について常に留意すべきを強調したい.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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