2001 年 21 巻 1 号 p. 31-34
症例は31歳女性. 高熱の持続, 肝機能障害, 耳下腺腫張のため当科入院となった. 胸部X線写真上BHLを認め, 血液検査上ASTは202IU/Lで, ALTは234IU/Lと上昇していた. 血清ACE及びリゾチームも上昇していた. ブドウ膜炎も認め, BALでリンパ球の増多を認めた. 肝生検と小唾液腺生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスと診断した. プレドニゾロンにより治療を開始した. 治療開始後より徐々に解熱し, 耳下腺腫脹も改善, 平行して肝機能と血清ACEも正常化した. 肺, 眼, 耳下腺及び肝にサルコイド病変を有する症例を報告した.