サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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涙腺病変に局所療法が奏功したサルコイドーシスの1例
吉岡 正剛三浦 佳代田島 健海老原 伸行高橋 和久
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2006 年 26 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

症例は25歳の男性. 2005年1月初旬より, 両眼瞼の腫脹と視界の狭小化を訴え, 同年2月に当院眼科受診. ぶどう膜炎は認めなかったが, 著明な両側性の涙腺, 耳下腺腫大, 両側性頸部リンパ節腫大と両上下肢の伸側に大きさが1cm程の多発皮下結節を認めた. 胸部単純X線写真で両側肺門リンパ節腫脹を認め, 涙腺および皮膚生検でサルコイドーシスと診断された. 67Gaシンチグラムでは両側涙腺, 耳下腺, 肺門, 縦隔リンパ節および両側の上下肢にも集積を認めた. 頭部MRIではpituitary stalkに造影効果のある結節を認めたが, 明らかな神経症状やホルモン分泌異常は認めなかった. 治療として, 両側の涙腺に酢酸メチルプレドニゾロンを6.0mg/日ずつ局所投与し, 涙腺腫大の縮小を認めた. Heerfordt症候群でサルコイドーシスの涙腺病変を合併することは知られているが, 著明な涙腺腫大で発症し, ステロイド局所療法により改善した症例はきわめてまれなため, 若干の文献的考察を加え報告する.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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