サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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FDG-PET, ガドリニウム造影MRIで異常所見を認めた心臓サルコイドーシスの1例
画像診断における各種モダリティーの比較において
森 由弘粟井 一哉本多 完次荒川 裕佳子吉田 光雄前田 剛厚井 文一澳本 定一木内 孝明片岡 幹男中田 安成
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2007 年 27 巻 1 号 p. 61-67

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抄録

症例は44歳の女性で2001年1月ぶどう膜炎あり, 2002年5月胸部X線写真にて両側肺門リンパ節腫脹を指摘され, 縦隔鏡によるリンパ節生検で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシス (サ症) と診断された. 初診時より, 心電図上完全右脚ブロックと心室性期外収縮が頻発し心臓サルコイドーシスが疑われたが67Gaシンチグラフィーで心臓に集積を認めず, 心臓超音波検査法 (以下心エコー) でも異常を認めなかった. 2005年11月より労作時息切れが出現し精査した. 心エコーにて心室中隔基部の菲薄化と左心室壁運動のびまん性低下を認め, 左室駆出率も38%と低下し, FDG-PETで心筋に集積を認め, ガドリニウム造影MRIで遅延造影効果が陽性であり, 心臓サルコイドーシスの臨床診断群と確診した. そこで, プレドニゾロン30m/日より治療を開始した. 心臓サルコイドーシスの臨床診断率は5%以下であるが, サ症による死亡原因の46.5%を占めている. そのため早期診断によるステロイド剤の投与が不可欠である. 近年の画像診断の進歩はめざましく, 本症の早期診断の可能性について検討した.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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