サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
Online ISSN : 1884-6122
Print ISSN : 1345-0565
ISSN-L : 1345-0565
ぶどう膜炎で発症し, 8年後にサルコイドーシスの確定診断となった1症例
大道 光秀
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 27 巻 1 号 p. 69-73

詳細
抄録

眼症状を契機とし, 精査するも診断がつかず, 長期経過の後, サルコイドーシス (サ症) の診断となった1例を報告する. 症例は初診時47歳, 女性. 1996年秋頃より右眼の視力低下, 充血あり, 1997年9月北大眼科受診. 両眼の前房炎症, 隅角結節と, 右眼の虹彩結節, 硝子体と眼底の炎症所見があり, ぶどう膜炎の診断. サ症を疑われ, 1998年2月札幌鉄道病院呼吸器科入院. 胸部写真上は異常なく, 胸部CT上, 縦隔リンパ節, 右肺門リンパ節の軽度腫大あり, ツ反陽性, 血清ACE14.2U/L (正常14.1-23.7), リゾチーム5.3μg/ml (4.2-115), γグロブリン19.2%と正常. 67Gaシンチで肺門, 縦隔に軽度異常集積あり. BALFリンパ球比率は3%, CD4/CD8比3.3. TBLBで10箇所生検するも肉芽腫は認められず, サ症否定として眼科で加療続行. 2006年5月に検診で胸部写真上異常影を指摘され, 当院受診. 胸部CT上, 縦隔リンパ節, 肺門リンパ節の軽度腫大あり. ツ反陰性, 血清ACEは25.5U/L (7.0-25.0) と上昇あり, リゾチームは9.8μg/ml (5.0-10.0) と正常. BALFのリンパ球比率4%, CD4/CD8比1.9. TBLBで組織学的に類上皮細胞肉芽腫を認め, サ症と確定診断した.

著者関連情報
© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top