土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
土壌中におけるリン酸イオンの収着 · 沈殿現象
南條 正巳
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2018 年 138 巻 p. 5-12

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抄録

国内の農耕地における主なリンの化学形態は, 酸化状態においては活性 Al または Fe に収着したリンである.若い火山灰土壌または花崗岩質土壌にはアパタイトが含まれるが,火山灰土壌では活性 Al の生成に伴い活性 Al と反応する.国内の農耕地土壌を黒ボク土と低地土に大別すれば,施肥されたリンは,黒ボク土では活性 Al に収着するのに対して,低地土では活性 Fe に収着する.結晶性のリン酸塩であるビビアナイトは湛水–還元条件下にある低地土の水田作土で生成するが,落水–酸化条件では溶解し,リン酸イオンは活性 Fe に収着する.他の結晶性リン酸塩も生成するが,やや特殊な条件である.

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© 2018 土壌物理学会
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