土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
HYDRUS-1D を用いた砂丘未熟土畑における灌水操作方法の検討
亀山 幸司岩田 幸良宮本 輝仁佐々木 康一
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2018 年 139 巻 p. 3-12

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抄録

本研究では,砂丘未熟土畑において,作物の消費水量を満たしながら下方への浸透損失をできるだけ抑える灌水操作方法を検討するため,砂丘未熟土畑で行われている土壌水分を比較的高めに維持する少量頻繁灌水の下での土壌水分動態を再現すると共に,灌水パラメータを変化させたときのシナリオ解析を行った.室内実験から得られた水分特性曲線パラメータを用いて土壌水分量を計算した結果,現地圃場の実測値との乖離が見られた.そこで,逆解析から得られた水分特性曲線パラメータを用いて灌水を開始する際の圧力水頭の閾値や日灌水量を変化させた場合のシナリオ解析を実施したところ,灌水を開始する際の圧力水頭の閾値を −75 cm,日灌水量 3.2 mm に設定することにより,根の吸水を抑制することなく,下方への浸透損失も少なくできると判断された.

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© 2018 土壌物理学会
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