土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
雨滴測定から見えてくる葉や枝での雨の振る舞い
南光 一樹
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2020 年 144 巻 p. 17-23

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抄録

森林は,樹冠で雨を遮断し,地面に降り注ぐ雨の量と水質を変化させることで,地球規模及び地域スケールの水 · 土砂 · 物質の動態を変化させる.そのプロセスの物理的解明に雨滴データが活用できることに気づいた.林内外での雨滴の大きさと速さの違いを利用して,樹冠通過雨を直達 · 滴下· 飛沫の 3 成分に分離する手法を開発し,滴下雨の生成高さの違いを検出できるようにした.固体(葉や枝)/液体(雨)界面現象から,樹種ごとや葉 · 枝の滴下雨の生成過程の違い,樹冠の層構造による各 3 成分の生成過程の違いが説明されうることを示した.雨滴研究の面白さを紹介しつつ,その有用性と将来について解説する.

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© 2020 土壌物理学会
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