膀胱タンポナーデの治療のため,膀胱瘻を造設し,持続灌流を行ったが,凝血によるカテーテル閉塞で周囲からの漏れが多量にあった症例を経験した。膀胱瘻からの灌流液の漏れは昼夜を問わず頻回であり,漏れによる不快感,精神的不安,夜間不眠が問題となった。さらに,膀胱瘻周囲の皮膚にビランを生ずる恐れがあった。そこで授乳用乳首とウロストミー用装具(ニップルパウチ)を組み合わせ膀胱瘻にパウチングした。その結果,灌流液の漏れはパウチ内に貯まり,患者の不快感,精神的不安が軽減でき,予測されたスキントラブルもみられなかった。また,治療上必要な持続灌流も続行できた。さらに,ガーゼ交換が不要となり,ケアの経済性の面でも有効であり,本法の有用性が示唆された。