日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
一時的イレオストミー造設術後の局所管理と今後の問題点
藤川 由美子鶴田 早苗柴田 興彦内田 雄三
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 10 巻 1 号 p. 35-41

詳細
抄録

 一時的イレオストミーは,通常のイレオストミーと同様に,術前のプランニングや,局所管理が不十分であれば,日常生活が制限されたり,心理的な負担を患者に与えることにもなる。今回,一時的イレオストミー造設後,スキントラブルに難渋した6症例の,局所管理と問題点の解決策について報告する。6症例とも,局所管理条件を考慮し,予防的なスキンケアや,装具を選択することでスキントラブルは改善した。これらの症例を通して,一時的イレオストミーの持つ問題について以下のことを考慮した管理が肝要である。
1. 緊急でストーマを造設する場合,マーキングの重要性を再認識し,可能な限りマーキングを施行する。
2. 局所管理条件を考慮し,セルフケアしやすい1cm以上の高さのあるストーマ造設が望まれる。
3. 患者の社会的背景や,セルフケア能力を把握し,患者が満足度を得られる管理をすすめる必要がある。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top