日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
出血性ストーマ静脈瘤に対する硬化療法とそのケアについて
藤原 恵子村上 トム子吉川 宣輝
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1994 年 10 巻 2 号 p. 39-44

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抄録

 ストーマ静脈瘤よりの大出血を繰り返す症例を経験した。本症例は既往に肝硬変,肝癌を持っており,キュアな面では最終的には硬化療法が有効であった。ストーマケアにおいては,粘膜,皮膚保護を目的とした装具の選択とケアの方法,出血時の対応,生活指導を行うことで異常な出血は見られなくなり,同時に悲観的な言動もなくなり患者の不安軽減につながった。
 以上より出血性ストーマ静脈瘤のケアポイントを,1. 静脈内圧の上昇を軽減する,2. ストーマ粘膜,周囲皮膚の保護,3. 出血時の対応と対処方法の早期患者指導,4. 基礎疾患に対する精神看護,と要約する。

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