1994 年 10 巻 2 号 p. 39-44
ストーマ静脈瘤よりの大出血を繰り返す症例を経験した。本症例は既往に肝硬変,肝癌を持っており,キュアな面では最終的には硬化療法が有効であった。ストーマケアにおいては,粘膜,皮膚保護を目的とした装具の選択とケアの方法,出血時の対応,生活指導を行うことで異常な出血は見られなくなり,同時に悲観的な言動もなくなり患者の不安軽減につながった。
以上より出血性ストーマ静脈瘤のケアポイントを,1. 静脈内圧の上昇を軽減する,2. ストーマ粘膜,周囲皮膚の保護,3. 出血時の対応と対処方法の早期患者指導,4. 基礎疾患に対する精神看護,と要約する。