1994 年 10 巻 2 号 p. 33-38
1988年~1993年までの6年間に大腸全摘術を施行した12症例を対象に,大腸全摘術後の治療食を考案し,提供した大腸食摂取患者6例と,大腸食未摂取患者6例について術後早期における排便量,排便性状を比較検討した。その結果,大腸食摂取患者は未摂取患者に対して術後の排便量は少なく,さらに便性状は早期に泥状から軟便へ移行した。以上より,大腸食は一時的イレオストーマ閉鎖術までの時間を短縮することができ,大腸全摘術後の治療食として有用性が高いと考えられた。