1995 年 11 巻 1 号 p. 19-26
抗腫瘍剤の及ぼす影響は消化器のみならず,骨髄抑制,免疫能の低下,皮膚病変,神経障害などストーマ管理上問題となることが多い1)。
今回,造血器系悪性疾患に対する抗腫瘍剤投与により,ストーマ粘膜およびストーマ周辺に強度の浮腫,潰瘍形成などの変化をきたしたコロストミーのケアを経験し,次のような化学療法中のストーマケアの指標を得た。
造血器系悪性疾患に対する化学療法中のストーマケアは,抗腫瘍剤による全身への影響を念頭に,装具による機械的剌激の軽減,ストーマあるいは皮膚の2次感染の予防,さらに潰瘍を形成した場合は,その部分の圧迫の軽減を重視した装具の選択とケアも工夫,および患者の教育が重要である。