腹会陰式直腸切断術時のストーマ造設の際の皮膚切開の大きさと出来上がったストーマの大きさ・高さおよび形状との関連を,皮膚切開を直径24~26mmで行なった群(A群)19例と直径20mmで行なった群(B群)47例とで比較検討した。
ストーマサイズはA群では大半が直径30~35mmに分布し,B群では大半が直径25~30mmに分布していた。ストーマの形状が円形のものはA群では31.6%,B群では56.6%であった。ストーマの高さはA群では8mm以下のものは,36.3%であるのに対しB群では,8.4%にすぎなかった。なお,ストーマの高さが低い例は両群とも肥満の人が多い傾向が認められたが,B群ではその影響が比較的少なかった。
ストーマ造設時の皮膚切開の大きさはストーマの大きさ・高さおよび形状と密接な関連があり,比較的小さい切開を行なうことにより円形であまり大きくない,しかも高さのあるセルフケアしやすいストーマが出来ることが証明された。しかし,肥満者では,ストーマが上下につぶれ易く高さも低い傾向があり術後のウエイトコントロールの指導も大切であると痛感した。
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