日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
短報
坐剤の疎水性基剤の融解液が原因と考えられた面板早期剝離とその実験的検証
間宮 規章澤口 裕二沼田 悟
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1996 年 12 巻 2 号 p. 27-30

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抄録

 疎水性基剤の坐剤(以下、疎水性坐剤)の融解液が原因と思われる面板の早期剝離を経験し、疎水性坐剤と親水性基剤の坐剤(以下、親水性坐剤)の比較使用を行ったところ、前者で面板交換間隔が有意に短かった(p<0.05)。
 さらに疎水性坐剤と親水性坐剤を5×5 cm 大の板状皮膚保護剤の中心におき、12時間の貼付後、剝離し観察した。その結果、親水性坐剤では、融解液が皮膚保護剤に吸収され、材質が融合し、疎水性坐剤では、皮膚保護剤を浸軟せず、界面にそって拡がる事が観察された。疎水性坐剤の融解液は、皮膚保護剤に吸収されず、粘着剝離剤のように作用し面板の粘着力に影聾する可能性が示唆された。

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