日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
12 巻, 2 号
12巻2号(通巻28号)
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
表紙・目次
連載講座
  • 進藤 勝久
    1996 年 12 巻 2 号 p. 1-6
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     研究結果の表し方一つでその論文の生死が決まる。多くの論文を読んで形式になれることもさることながら、棒、折線、円、帯、地図、ヒスト、レーダー各グラフやフローチャートの特徴を知って、データを一目瞭然の理解しやすい表現にすることが重要である。
     データだけを与えておいてその解釈をしない卑怯な論文にならないよう、科学的な手段による自己主張が欲しい。それには、均衡あるサンプリング法や統計処理法などを、専門書で学習することだ。こじつけの論文ではなく、科学的に表現された論文であってほしい。
原著
  • 田中 清美, 吉村 稔, 小山 里美, 鈴木 麻希, 内藤 志穂, 竹内 佐智恵, 田中 純, 斎藤 拾子, 貞廣 荘太郎, 野登 隆
    1996 年 12 巻 2 号 p. 7-13
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     人口の高齢化に伴いストーマを造設する高齢者が増えている。ストーマケアを行うにあたり、高齢者のオストメイトの身体的、精神的、社会的状況を把握するため、オストメイト110人にアンケート調査を行った。31~60歳までの20人、61~70歳までの32人、71歳以上の16人に分けて比較すると、71歳以上ではストーマに対する受け入れがよい反面、家族との食事、同じ寝室を使うこと、入浴に躊躇する人が多く、またスポーツや散歩に関しても消極的な人が多くみられた。高齢者の使用装具は退院後ほとんど変わらない事が明らかになり、今後高齢者のオストメイトのケアに際しては従来以上に、家族にもストーマを受け入れられるように意図的な働きかけが必要であり、定期的にストーマ外来を受診させて本人及び環境の変化に対応した装具の変更などを行っていく必要性が示唆された。
  • ―皮膚保護剤膨潤部は交換目安となり得るか―
    安田 智美, 菊川 香, 北野 陽子, 山瀬 明美, 境 美代子, 山本 克弥, 竹森 繁, 新井 英樹, 藤巻 雅夫, 田澤 賢次, 西出 ...
    1996 年 12 巻 2 号 p. 15-20
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     皮膚保護剤の交換目安は、通常溶解部の幅5 mmとされているが、膨潤部に関する成績はなく、同部における皮膚生理機能と皮膚構築の変化から比較検討した。対象はストーマ造設患者20名とした。測定部位は健常皮膚と皮膚保護剤の溶解部、膨潤部、保護剤及びテープ貼付部のそれぞれの皮膚とした。測定項目は皮膚のpH、角質水分量、経表皮水分喪失能(TEWL)と、皮膚の皮溝及び皮丘の状態を観察した。皮膚保護剤膨潤部の皮膚は保護剤貼付部の皮膚と比較してpH、TEWLでは有意差を認めたが、角質水分量では有意差を認めなかった。したがって、皮膚保護剤膨潤部は交換の目安になる可能性がある。
短報
  • 平田 敬治, 清永 英利, 岡本 好司, 永田 直幹, 伊藤 英明, 山田 ゆかり, 上中 香代子, 久門 裕子, 米山 和子, 福田 直子
    1996 年 12 巻 2 号 p. 21-25
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     症例は61才、女性。抗精神薬投与のため、慢性便秘が続いていた。平成6年7月直腸癌に対しMiles手術が施行された。平成7年1月より癒着性イレウスに対し保存的治療で軽快し経口摂取を再開していたところ、突然の呼吸促迫・意識障害が出現した。精神科疾患及び代謝性アシドーシスによる意識障害のため腹痛の訴えはなく、腹膜刺激症状も不明であったが、ストーマ粘膜の壊死及び全身状態から壊死型虚血性大腸炎と診断し、緊急手術を施行した。脾弯曲部結腸を中心に虚血性変化を認めたため、左側横行結腸からストーマまでの結腸を切除し、右側横行結腸に単孔式ストーマを再造設した。新しいストーマは、虚血のない部分に造設され、陥凹・狭窄もなく、自立したストーマケアが行なわれている。ストーマの虚血性変化により術前診断が可能であった本症例は“現症”としてのストーマ観察の重要性を示唆している。
  • 間宮 規章, 澤口 裕二, 沼田 悟
    1996 年 12 巻 2 号 p. 27-30
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     疎水性基剤の坐剤(以下、疎水性坐剤)の融解液が原因と思われる面板の早期剝離を経験し、疎水性坐剤と親水性基剤の坐剤(以下、親水性坐剤)の比較使用を行ったところ、前者で面板交換間隔が有意に短かった(p<0.05)。
     さらに疎水性坐剤と親水性坐剤を5×5 cm 大の板状皮膚保護剤の中心におき、12時間の貼付後、剝離し観察した。その結果、親水性坐剤では、融解液が皮膚保護剤に吸収され、材質が融合し、疎水性坐剤では、皮膚保護剤を浸軟せず、界面にそって拡がる事が観察された。疎水性坐剤の融解液は、皮膚保護剤に吸収されず、粘着剝離剤のように作用し面板の粘着力に影聾する可能性が示唆された。
研究会報告
地方会抄録(地域研究会記録)
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