抄録
日本小児ストーマ研究会(現在は「日本小児ストーマ排泄管理研究会」以下本研究会と略)装具等検討委員会において、乳児の退院後用ストーマ装具(一品型)の検討を行った。アルケア(株)の協力により試作品(以下本品と略)を作製し、本研究会会員有志に試用して頂き、その試用状況についてアンケートを行った。試用申し込みのあった20施設49例のうち回答のあったのは14施設32例であり、回収率は65.3%であった。そのうち、本品は乳児用装具であることから、試用時の体重が1歳児の平均体重を超える2例を除き、30例で検討を行った。製品全体の評価については、「良い」が12例、「普通」が9例と70%が使用できるとの評価であった。今後については30例中10例が「使用しない」であり、その理由は、現在の装具に慣れている、漏れやすい、面板とバッグとの連結部(以下フランジと記す)の漏れなど、多くは使用者の慣れや使用方法によると考えられた。乳児期の装具が少なく装具選択の幅が少ない現状にあって、貼付時間、皮膚保護剤の溶解程度、フランジやバッグの形態、皮膚保護作用、全体評価などから、本品は有用であると考える。