抄録
5種類の市販皮膚保護剤について,貼付中に起る物理的剌激と剝離時の物理的剌激を比較検討した。12人の健常成人男子に対し,48時間ずつ連続して3回の貼付を行い,その都度剝離力を測定し,皮膚状態の変化を観察して,次の結果を得た。
1. 同一皮膚保護剤であっても剝離力の被検者による差は大きく,発汗量,体重/身長比に関係する傾向がみられた。
2. 貼付回数と共に剝離力は増大する。
3. 2種類のCMC系皮膚保護剤は,貼付中周辺部が硬化し,10例に紅斑が観察された。
4. 1種類のCMC系皮膚保護剤は,すべての被検者において剝離力が最大であった。