日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
人工肛門・人工膀胱用装具粘着剤の皮膚生理機能に及ぼす影響―人工肛門保有者における検討―
髙屋 通子
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1989 年 5 巻 1 号 p. 29-34

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抄録
 人工肛門用装具に用いられる粘着剤を,長期間同一部位に使用した場合の皮膚に及ぼす影響について検討した。
 人工肛門保有者を対象に,CMC系(A),アクリル系を塩化ビニールに貼付したもの(B),アクリル系を和紙に貼付したもの(C),カラヤ(D)使用の群に分けて,皮膚角質層の水分量,皮表脂質量を測定した。
 A,B,Dの皮表構築について,レプリカを作製し検討した。
 結果:角質水分量(単位:Relative Conductivity):1年後,A6.8,B7.2,C5.1,D31.3;5年後,A11.6,B4.1,C5.5,D18.7;8年後,A10.6,10年後;B7.5,D15.0であった。
 皮表脂質量(単位:µg/㎠):1年後,A2.2,B6.0,D1.3;5年後,A0.3,BO,D1.3;10年後,B1.0,D4.3であった。
 皮表構築は,8年後,A,B,Dともに皮溝が一方向に流れる所見が得られた。
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