抄録
イレオストミーの管理は一般的に難しいとされている。そこで私たちは一時的イレオストミー造設後2週間の局所管理に焦点を当て調査を行った。
今回,大腸腺腫症,潰瘍性大腸炎で一時的イレオストミーを造設した患者23例を対象に①便の排泄量とその性状,②ストーマの状態,③装具の状態,④ストーマ周囲の皮膚の状態の4点にポイントをおき,適切な装具の選択と交換の時期について検討した。
便の排泄が始まる前後2日目までの装具としてホスパックKを選択した。ホスバックKは皮膚への剌激が少なく,柔軟性があり.毎日の交換で浮腫や出血・壊死・陥没などの早期発見と皮膚の観察が容易にでき,術直後のストーマを愛護的に扱うために有効性が高い。
便排泄開始の術後3日目からはホリスターツーピースバリアを選択した。ホリスターツーピースバリアは耐久性があり,観察しやすく,手技も容易である。また2日毎の交換を実施することにより皮膚障害も予防でき,患者へのストーマに対する意識も高まり,セルフケアヘの援助が円滑に進み,習得までの期間を2週間に短縮することができた。
以上,検討内容をふまえイレオストミー造設後2週間のケアープログラムを作成した。