日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
特別講演
イレオストミー造設後の適切な装具の選択と管理―ケアプログラムの作成を試みて―
足達 映美原口 恵美石坂 敏子大崎 純子西村 美枝子原田 俊子荘司 康嗣楠原 清史山村 武平
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1990 年 6 巻 1 号 p. 69-73

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抄録
 イレオストミーの管理は一般的に難しいとされている。そこで私たちは一時的イレオストミー造設後2週間の局所管理に焦点を当て調査を行った。
 今回,大腸腺腫症,潰瘍性大腸炎で一時的イレオストミーを造設した患者23例を対象に①便の排泄量とその性状,②ストーマの状態,③装具の状態,④ストーマ周囲の皮膚の状態の4点にポイントをおき,適切な装具の選択と交換の時期について検討した。
 便の排泄が始まる前後2日目までの装具としてホスパックKを選択した。ホスバックKは皮膚への剌激が少なく,柔軟性があり.毎日の交換で浮腫や出血・壊死・陥没などの早期発見と皮膚の観察が容易にでき,術直後のストーマを愛護的に扱うために有効性が高い。
 便排泄開始の術後3日目からはホリスターツーピースバリアを選択した。ホリスターツーピースバリアは耐久性があり,観察しやすく,手技も容易である。また2日毎の交換を実施することにより皮膚障害も予防でき,患者へのストーマに対する意識も高まり,セルフケアヘの援助が円滑に進み,習得までの期間を2週間に短縮することができた。
 以上,検討内容をふまえイレオストミー造設後2週間のケアープログラムを作成した。
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