抄録
コロストミー造設術後に結婚し妊娠出産を希望するオストメイトの相談をストーマ外来にてうけ,外科医,産科医の協力のもとに無事出産した一例を経験した。原疾患は直腸癌で,術後も長期にわたり抗癌剤を服用していたため,その影響が心配されたが,妊娠の維持及び胎児に対して障害は認められなかった。妊娠中の全身的,局所的合併症の発生も特に認めなかった。出産は産科的な理由で帝王切開になったが,オストメイトにおける正常分娩も十分可能であると思われた。加えて,本邦症例7例についても調査検討した。
ストーマリハビリテーショソの進歩と共にオストメイト,ストーマケアにかかわる者にとって興味深く意義のある症例と思われたので報告した。