抄録
俳優Wの直腸癌手術マスコミ報道について,オストメイト26名と看護婦39名に感想を聞いた。オストメイトのなかで,心理的社会復帰が未復帰,中等度復帰,復帰良好の3群に分けると,その報道に関心を寄せた人はそれぞれ25%,85%,33%であり,中等度復帰群で優位に高い関心を示した。ストーマ造設後のケアでは,経時的に心理状態が変化することを念頭におかなければならない。
オストメイトは71%が同化や同情を示し,有名人の報道を54%が望み,この点は看護婦と違っていた。看護婦では,36%が「ストーマ=癌」のイメージを心配したがオストメイトの感覚とずれていた。
マスコミは輿味本位の報道はやめ,オストメイトに希望を与えるものをやって欲しい。