抄録
人工肛門造設患者の残存大腸の運動機能を内圧測定から客観的に評価する方法を考案し,洗腸排便法が患者の排便機能に如何に影響をおよぼし,結腸貯留能獲得に有効か否かを人工肛門造設後1年以内例7例,4年以上の洗腸例6例および4年以上の非洗腸例5例を対象として検討した。
洗腸例ではcolonic compliance は他の2群に比し大きく,結腸バルーン内圧もstable例が多いことより,結腸貯留能の獲得および結腸運動能の安定化によりcolonic continenceを獲得することが洗腸排便法による排便コントロールを有効にしていることが知られた。