日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
日本蚕糸学会第73回学術講演会
セッションID: 424
会議情報

「セリシンホープ」繭の熱水によるセリシン溶解
*宮島 たか子, 山本 俊雄, 間瀬 啓介, 飯塚 哲也, 高須 陽子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 セリシン純度が98%を越える蚕品種「セリシンホープ」の繭層セリシンの熱水による溶解とセリシンの分解について検討した。「セリシンホープ」はほとんどが正常に吐糸・営繭し、吐糸量は70から80mg/1頭であった。溶解は温度(90、100、110、120℃)と処理時間(5,10,20分)を組み合わせた条件で行った。セリシン溶解量は100℃以下の温度では著しく少なく、100℃で20分処理しても20%以下であった。110℃では10分処理で63%、20分処理で73%が溶解し、120℃-5分で93%が溶解し、10分処理で96%と殆どのセリシンが溶解した。つぎに、SDS-PAGEによりセリシンの分子量を測定したところ、セリシンが分解されない8M尿素による溶解(80℃-5分)では、約400、250、200KDの高分子バンドが認められたが、熱水100℃以上では高分子セリシンは分解され、20から60KDの低分子領域のバンドだけが認められた。熱水による溶解はアルカリ剤を用いる溶解方法に比べて溶解後の調整が容易で実用的に有利と考えられるので、今後は熱水溶解セリシンの抗酸化性など機能性について未分解セリシンと対比して検証したい。
著者関連情報
© 2003 社団法人 日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top