日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
日本蚕糸学会第73回学術講演会
セッションID: 430
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クワ科植物のrbcL遺伝子下流域の遺伝子構造の解析
北島 佐紀人*松田 祐志杉村 順夫
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キーワード: クワ, 葉緑体, rbcL, accD, コウゾ
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抄録

木本植物の葉緑体ゲノム構造に関する研究は極めて限られている。本研究では、クワ科に属するクワ(Morus alba)とコウゾ(Broussonetia kazinoki)の葉緑体にコードされるrbcL(ribulose 1,5-bisphosphate oxygenase/carboxylase large subunit)遺伝子下流域の約2kbについて塩基配列の解析を行った。まず、草本双子葉植物のaccD (acetyl CoA carboxylase)遺伝子の塩基配列にもとづいて、PCRによりクワaccD遺伝子の部分断片を得た。続いてそのaccD遺伝子断片とrbcL遺 伝子に特異的なプライマーをもちいてPCRを行ったところ、約2kbの産物を得た。その産物は、rbcLのC末端側領域と、約0.8kbの非翻訳領域に 隔てられてaccDのN末端側領域をコードしていた。このような構造は、草本双子葉植物のそれらと類似していたが、塩基配列の相同性は低かった。種間で 塩基配列の変化にとむrbcL遺伝子下領域をクワ科で明らかにできたことは、クワ科の系統分類研究にとって有用な情報である。

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© 2003 社団法人 日本蚕糸学会
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