カイコの休眠開始・維持に関わる遺伝子を単離するため、種々のcDNA subtraction法を用い、ヒト酸化抵抗性タンパク質(OXR1)のカイコ相同遺伝子Bm05を単離している。今回はBm05機能解析過程で単離されたBm05Lと他の数種候補遺伝子について報告する。Bm05LはBm05のORF中に1179塩基が挿入され、更にアミノ酸393残基付加されたORFを持つ遺伝子であった。特異的primersを作製しmRNA量を測定した所、即時浸酸・非休眠化卵では減少するが、休眠卵では維持されるというBm05発現とよく似た傾向を示した。そこで、先ず形質転換Drosophilaを作出し、生体内での機能解析を進めている。更に少なくとも3種類の遺伝子(Bm03, Bm14 & dunce相同)が即時浸酸・非休眠化卵より休眠卵で発現量が高いことが判明した。これらの詳細な発現パターンを追跡すると共に、機能解析系の構築を検討している所である。