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カブトムシ(Allomyrina dichotoma)幼虫に大腸菌を接種すると脂肪体や血球で数種の抗菌性タンパク質が合成され体液中に分泌される。鞘翅目のコレオプテリシンファミリーに属する抗菌性タンパク質の一つとして同定されたコレオプテリシンAの5’上流転写制御領域の塩基配列を解析した結果、NF-κB結合様配列、R1、GATAモチーフ、NF-IL6モチーフ、CATT(A/T)モチーフが存在した。このプロモーター領域とホタルのルシフェラーゼを連結させたレポーターベクターを作製し、カイコのDZ細胞にトランスフェクションしてレポーター活性を測定したところ、NF-κB結合様配列とR1が転写活性化に必要なモチーフであり特にNF-κB結合様配列がシスエレメントとして重要であることが明らかになった。そしてカブトムシの核抽出液中にはNF-κB結合様配列と特異的に結合するタンパク質が存在し、免疫誘導で核内に移行したことから転写因子である可能性が示唆された。このNF-κB結合様配列に結合する転写因子を同定するために、既知のRelファミリータンパク質のRHDからdegenerate primerを設計しcDNAクローニングを行った結果、カブトムシにはN末端が異なる2種類のRelタンパク質が存在した。このRelA及びRelBをコレオプテリシンAのプロモーター領域を組み込んだレポーターベクターと共発現させた時、有意に転写活性が上昇しその認識配列はNF-κB結合様配列とR1であることが明らかとなった。